店舗DX事例

データドリブンな店舗運営を実現するために〜店舗が抱える課題〜

ここ1年で私達の生活様式は大きく様変わりしました。コロナ禍で外出の機会がめっきり減った方や、リモートワークに切り替わった方も多いかと思います。特に、飲食店の経営はかなり厳しい状況になっているとみられ、店舗の経営方針の転換を迫られた方も多いのではないでしょうか。社会環境の変化をうまく取り入れて従来型の店舗運営から、データを活用したデータドリブンな店舗運営に取り組んでみましょう。

従来の店舗運営はPOSデータ中心

まず、店舗運営に必要なのは、店舗の売上情報です。自店の売上情報ですが、分析などはしていますでしょうか?チェックしているデータが何か言えますか?例えば、天候情報、来店人数、POSデータがありますが、これらは確認していますか?またPOSデータをスタッフ全員で共有していますか?さまざまなデータや指標を設定せず、POSデータだけをチェックしている場合、従来型の店舗運営と言えるでしょう。

ファネルという考え方と7つのKPI

データドリブンな店舗運営を目指すにあたり、ファネルという概念があります。ECでは一般的な考え方ですが、実店舗に置き換えると下記の図のようになります。

こちらの記事でファネルについて詳しく説明しているので省きますが、

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来店から、購買に至るまでのステップ、購買後のお客様の行動をファネル(​​漏斗)にすると、以下のようなステップになります。これらをそのままKPIとして設定できるので、それぞれの数値を算出するために必要なデータを取得できれば、KPIの達成を簡単に判断することができます。

オフライン店舗KPI

また、KPIについては、下記のように設定することができます。


①来店数
②購買率
③平均客単価
④試着率(手に取った率)
⑤従業員一人当たりの売上高
⑥新規顧客数
⑦リピート客数

KPIについてはこちらの記事にまとめています。

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何ができるようになるのかイメージを持っていますか?

ではKPIを設定した後、なにができるのかを説明していきます。

KPIを設定したら、それぞれの数値を取得しなければいけません。例えば、最も重要な購買率を計算するには来店数を正確に取る必要があります。

そこで必要なのが、『来店カウンター』と呼ばれる計測機器です。

天井に小さな機械を取り付けるので、外観を失うことなく来店数を計測することができ、独自の管理画面から時間帯ごとの来店数や性別年代をチェックすることができます。

その他機能としては、店舗のPOSデータを連携させることができるので、スタッフあたりの売上高などを店舗全体で共有することが可能でスタッフのモチベーションアップにも繋がります。

別の事例ですが、来店数が多い時間帯の傾向を掴めたことで、その時間帯に接客できる店員を増やすなどの改善が可能となります。

また、来店数が増えると購買率は下がりますが、売上金額は上がっていくことが見込まれます。

購買率の仕組み

これなら、ITリテラシーに自信がない方でも、データをどう活用するかイメージができると思います。

導入する際のネック

『来店カウンター』を導入する時にネックになりやすいのは、やはりコストではないでしょうか。コストは各店舗によりけりとは思いますが、来店カウンターを選ぶ際の標準機能として、POS連携機能、独自管理画面(ダッシュボード)の見やすさ、カメラの精度が上げられます。

昔やってたけど、使いこなせなかったケース

よくあるのが、『昔入れてたけど、使えなくて止めた』というケースです。以前はスタッフや業者もカウントされてしまって正確な数値が計測できないことが多かったのですが、最近の来店カウンターは、スタッフを除外することが出来るので実用性が上がっています。

防犯ゲートでも来店数はわかる?

そもそも、防犯ゲートと来店カウンターでは目的が異なりますので、別々にしたほうがいいです。限られた予算内でと考えると、ある程度は防犯カメラでも来店数は計測できますが、精度に問題があります。例えば、ゲートのセンサーの前で2人が重なっていた場合、1人とカウントされます。他にも、防犯ゲートではPOS連携ができないなど、やはり目的が異なるので、店舗の売上を伸ばすという目的があるのであれば、来店カウンターの導入を検討しましょう。

一方で、『来店カウンター』の設置環境としては、Wi-fi環境と電源があれば設定できます。

来店カウンターを導入しないことによるデメリット

来店カウンターを導入しなくても、従来型の店舗運営から脱却できるのでしょうか?

その購買率は正しいですか?

購買率に関しては、『もうやってるよ!もちろん目視で』という店舗が意外と多いのではないでしょうか。リピーターだと、購買率が40%というデータがあったとしても、それは本当に正しいでしょうか?

例えば、家族3人で訪れたお客様で、奥様がリピーターだった場合、来店数は1人とカウントしていませんか?来店カウンターで計測した場合は、3人になりますね。

店員さんをどこまで信用できますか?

来店数のカウントを店頭のスタッフに任せているケースもありますが、店員によって計測の基準がブレていたり、使えない数字になっている事はありませんか?

例えばトイレに行って帰ってきたら、来店カウンターでは2になりますが、店員は1にしているなどです。

社内で、取ったほうがいいよね〜という暗黙のルールはあっても、数え方のルールは決まっておらず、スタッフ内でばらつきがある可能性があります。

正しい購買率を知る事によるメリット

来店カウンターを導入し、正確な来店数が計測できたら、購買率を出してみましょう。これまで目安としていた数値と大きく違っていませんでしたか?

KPIを設定したことで、正しい来店数と、購買率が出せた事による、メリットは3つあります。

  • 店舗と本部で共通の指標ができる
  • 店舗スタッフのモチベーションが上がる
  • 店舗の人員配置を最適化できる

1つ目は、”来店数”や”購買率”といったKPIを、店舗と本部で共通の指標として持つことができます。売上について議論する際に、店舗と本部で共通の指標がないというのは、以前から課題としてよく上がっていました。共通の指標を持つことで、同じ目線で売上について議論できるようになります。

2つ目は、管理画面で店員ごとの売上額をリアルタイムで確認することができるので、店員1人1人のやる気やモチベーションアップに繋がります。

3つ目は、来店数が多い時間帯に店員の配置を増やすなどの、店舗内における人員配置の最適化に繋がります。時短で働きたい方の場合でも店員の数が必要な時間帯だけにフレキシブルにシフトを組むことができるようになると、働きやすさという評価も上がります。

まとめ

データドリブンな店舗運営を実現するためにすべきことやメリット、疑問点について説明しました。来店カウンターの導入によって、データから導き出した正確な購買率を計測することができますが、それをデータドリブンな店舗運営といいます。

店舗の売上が右肩上がりになるために、まずは来店カウンターを導入してみましょう。

datadriven_quantitative_data
データドリブンな店舗運営を実現するために〜店舗マネージャーと店長〜今までの店舗はPOSデータを使って売上分析をしていたと思います。分析と言えばECのようにファネル分析で行うべきなのですが、店舗の場合はまずデータの可視化から行いましょう。その上で、店舗マネージャーと店長で共通言語となる数値を作ると同じ目線で会話ができるのではないでしょうか。...