非計画購買層の購入率を上げる
購買行動には、計画購買と非計画購買があります。
計画購買とは、すでに買うものを決めて来店する購買行動を指します。例えば、A社の商品を買うつもりで来店し、そのとおりにA社の商品を購入したお客さまを計画購買とみなします。
それに対し、非計画購買は、A社の商品を買おうと来店したものの、実際に購入したのはB社の商品だった、というように入店前の考えとは別の商品を買うことを指します。買うつもりがなかったのに、来店ついでに購入した、という動きも非計画購買の一種です。計画購買は事前の店舗アプローチによって、来店者数を伸ばすことができます。非計画購買層は、ついで買いなどを誘うことで、購入率をあげることができます。
では、店舗にとって更なる売り上げのプラスになる可能性を含む非計画購買層の具体的な購買率アップの方法を見ていきましょう。
非計画購買層の来店を増やす
衝動買いのメカニズムはほとんど感情的な行動によるものです。衝動買いは陳列の方法や、新商品のアピール、商品の新しい使い方、といった売り方の演出によって喚起され、来店の機会を得る必要があります。
そして、衝動買いを増やすために必要なものは、売り場のわかりやすさです。売り場で、生活に必要なものを気づいてもらえるか、がポイントとなります。〇〇がそろそろ切れそうだから買っておこう、という具合です。非計画購買層に来店してもらい、衝動買いしてもらうのは難しいことです。そのような中、今すぐ対策できることは、店内滞在時間を伸ばし、できるだけフロアを歩いてもらう、ということになります。滞在時間が増えると衝動買いをするお客さまの数は増えますが、計画購買のお客さまの購買率は伸びません。なので、バランスの良い売り場作りを心がけましょう。
衝動買いしてもらうためには、POPや販促ボードを適切に整えましょう。価格訴求だけでなく、価値をいかにお客さまへ提案できるか、がポイントです。不必要な情報はお客さまにとってはノイズでしかありません。必要な情報だけをピンポイントで届けましょう。
接客も重要な要素ですが、売り場の構成がしっかりしていれば無理な接客をする必要はありません。お客さまの購買に至る決断をサポートするだけで良いのです。良い売り場があれば、雰囲気を重視した接客を行うことができます。
最近では、タブレットをショッピングカートへ備え付け、簡単に買い物ができるテクノロジーを導入している店舗もあります。店舗のDX化が進むほどに、衝動買いを誘う施策は売上げアップに不可欠なものとなるでしょう。
店舗カメラの情報からの分析
お客さまの顧客情報は会員カードからの取得がメインの方法となりますが、店舗に備え付けたカメラからの情報でも取得することができます。入店社数の可視化により、スタッフの配置や店舗のレイアウト、施策の効果などさまざまな影響をもたらします。店舗カメラの活用方法について、以下に詳しく解説します。
店舗ごとの来店数の高い時間帯を分析
店舗カメラの導入により、POS以外の情報源として、入店人数や購買率、平均滞在時間などの指標を取得できるようになります。店舗カメラの導入により、本部側の人だけでなく店舗スタッフも情報を把握しやすくなるので、目標や施策を考えるときに情報を共有できるのです。
施策実施時のフィードバックの分析にも活用できる点も見逃せないポイントです。施策実施以外では、時間ごとの来客数に関して意外な気づきを得ることもあります。
例えば、13時になると来店が増える店舗では近所にレストランが集まっているなど、それぞれ立地ごとの特色を発見することができます。一般的に、13時ころは休憩時間ですが、店舗カメラの導入により来店の多い時間帯を発見でき、対策をたてることができるのです。
平均滞在時間と、導線分析から商品棚の配置・在庫の最適化を行う
お客さまの平均滞在時間と導線を店舗カメラによって分析することで、ディスプレイの最適化や適正な在庫管理を行うことができます。長く店舗に滞在してもらうためには、適切な動線の構築が必要です。
適切な導線が構築できたら、商品をしっかり見てもらうためのディスプレイ陳列にも力を入れましょう。商品をより良く見せることは、店舗販売の基本です。必要な情報を確実に伝えるためのPOPも、重要なツールです。導線の最適化と、商品棚の配置、上手なディスプレイによって、無理な接客をしなくても自然に商品が売れる流れをつくることができます。お客さまの流れを把握し、適切な商品配置ができれば、適切な在庫管理を行うことができます。
店舗運営にとって余剰在庫は運営を圧迫し、健全な経営ができなくなってしまいます。来店者数による分析の他に、目視による在庫の確認も可能となり、より確実に在庫を把握することができます。
店舗カメラは、店舗運営においてあらゆるメリットを生み出します。本格的な店舗運営には導入を検討したいところです。導入の際は、店舗の規模や目的、予算などの計画しっかりと考えましょう。