エリアマネージャーはどのようなことをしているのでしょうか?
今回は仕事内容、必要な能力、年収のほかに、活かせるスキルなどをご紹介します。
エリアマネージャーとは?
まず、エリアマネージャーとはどのような職業なのか確認していきましょう。
エリアマネージャーとは
エリアマネージャーとは、社内で区画化されたエリア内にある店舗全てをマネジメント(=管理、統括)する役職のことを指します。
全国各地でフランチャイズ展開を行っている企業において、担当エリア内の店舗の経営をより良くするために管理や統率を行う人の役職になります。
エリアマネージャーの役割・業務内容
エリアマネージャーは本部と各店舗をつなぐパイプ役を担う業務がメインになります。
例えば、新商品の売上目標など本部からの経営方針を各店舗へ伝達し、その目標を達成するために店長と共に戦略を練り、店舗経営を行います。
また、エリアマネージャーの働き方の特徴として、エリア内には複数店舗があるので、全ての店舗を巡回して管理を行います。
エリア内で業務改善が成功した事例を他店舗でも取り入れたり、店舗スタッフの育成をしたりと、エリア内の店舗が円滑に店舗経営を行えるようサポートを行います。
商品の問題点や改善要望などが現場スタッフから聞かれることもあります。
そのような場合にエリアマネージャーが本部へ伝えます。このように、本部から店舗への伝達だけではなく、店舗から本部への伝達という双方向のパイプ役になります。
年収
年齢や企業規模などにもよりますが、平均で400万円台のようです。
エリア内の業績などから査定が変動しやすく、特に賞与が変動しやすいようです。
店舗によってはエリアマネージャーがどれだけ頑張っても業績が上がらない場合もあり、よって個人の努力だけでは必ず年収が上がるわけではないという側面があります。
エリアマネージャーに向いている人とは?
次にエリアマネージャーに向いている人はどのような人なのか、説明していきます。
多角的な視点を持てる人
お客様の視点、従業員の視点、本部経営の視点とあらゆる角度から物事を考える必要があります。
本部と店舗のパイプ役であることから、どちらの立場も考慮しなければなりませんし、もちろんお客様の視点も欠かすことはできません。
分析を行うときにあらゆる視点から物事を考え、改善に繋げていけるような視野の広さは重要です。
コミュニケーション能力が高い人
同じことを伝えるとしても、言い回し1つで相手に与える印象が変わることがあります。
相手がお客様であっても、店舗の従業員であっても、人と対話をすることになります。
対話をスムーズに進めるために、コミュニケーション能力が高い方が良いことは間違いないでしょう。
メンタルコントロールができる人
エリアマネージャーは本部と店舗のパイプ役であるため、板挟みになるとも言えます。
どちらの主張も理解できる。そんな状況は心苦しいものです。
また、重大なトラブルが発生した場合には店長では対応できない場合もあります。その時にはエリアマネージャーがトラブル対応を行うことになります。
多忙なスケジュールや理不尽なクレームなどでメンタルが削られる場面は多くありますが、その都度自分のメンタルを管理できる能力が必要とされています。
エリアマネージャーになった後でも、自身のメンタルを鍛えることは大切です。
活かせるスキル
エリアマネージャーとして活かせるスキルはどのようなものでしょうか?
エリアマネージャーとして必須の資格などはありません。
そして、エリアマネージャーとしてのスキルは日々の業務の中で少しずつ身につけていくものになります。
業務知識
業務を遂行する上で接客、商品知識と業務の知識は必須なものになります。
現場の人間などに「何も知らないくせに」と思われてしまっては、改善指示など聞き入れてもらえない環境になってしまいます。
エリアマネージャーになる方の多くは一従業員から店長を経てエリアマネージャーに昇進した方です。
その過程で業務知識を学び、吸収し、凄腕のエリアマネージャーはこれらの経験を活かしています。
また、他業種から転職した場合には業種の専門知識や商品について猛勉強しているはずです。
分析スキル
店舗の経営業務の一つとして、売上やPOSデータを分析します。
分析自体は店長も自店舗の分析を行うこともあるでしょうが、エリア内の店舗間の比較などエリアマネージャーの方が持っている情報が多く、分析できる幅も広がります。
エリアマネージャーは複数店舗を担当していることから、1店舗にかけられる時間は多く取れず、数字からの分析は欠かせないスキルになります。
人材育成スキル
エリアマネージャー個人の能力がどれだけ高くても直接業績に繋がるわけではありません。
各店舗で働く店長を始め、従業員が実際の業務を行わなければ利益は上がりません。
店舗を安心して任せられる従業員が一人でも増えれば、それだけ店舗のクオリティが上がります。
人材を育てることはどの業界であっても非常に難しいですが、人を育てることが店舗を育てることにつながり、エリアマネージャーにとって大切なスキルになります。
業界ごとの事例
エリアマネージャーと言っても企業ごと、業界ごとに業務も変わってきます。
エリアマネージャーの活躍を3業界の具体例をご紹介します。
飲食業界
全国に数百店舗を展開する飲食店グループ。
エリアマネージャーとしてまず2~3店舗を担当します。その後、経験を積んで慣れていくと5~10店舗を担当することになります。
飲食業界はお客様にとってメニューが最も重要になります。チェーン展開のため、基本メニューはどこの店舗も同じになりますが、独自メニューを作成することも可能です。
地産地消の限定メニューやお子様向けメニューなど、アイデア次第で店舗のオリジナリティを出すことができます。
ファッション業界
ファッション業界では独自のブランド力が大切です。
デザイナーや本部が考えるブランドの方向性や世界観を店舗スタッフまでしっかり理解してもらうことは大切な業務です。
トレンドの変化が激しい業界なので、競合他社や最新のトレンドの分析は常に必須です。自社ブランドとトレンドの取り合わせなど店舗スタッフに提案することもあります。
店舗スタッフは服の製造などの知識は持っていない場合がほとんどです。そのようなお問い合わせには店舗では対応できないことが多く、本社の窓口となるエリアマネージャーが解決しなければならないこともあります。
コンビニ業界
全国に幅広く展開するコンビニチェーン。
エリアマネージャーは7~8店舗を担当し、担当店舗を週に2回程度訪問します。店舗が多いため、他店舗の成功・失敗事例はたくさんあります。地域性や立地を考慮して戦略を立てていきます。
オーナーは店舗のある土地に思い入れがある方も多く、地域で生活する方たちにとって喜ばれる店舗を望むこともあります。オーナーの思いとエリアマネージャーの戦略を上手くかみ合わせて売上アップに繋げていきます。
まとめ
エリアマネージャーになるためには向き不向きの能力はあります。
しかし、本当に必要な能力の多くは日々の業務を行う中で少しずつ成長できる要素です。
日々一生懸命頑張って結果を出した人がステップアップする役職と言えるでしょう。エリアマネージャーを目指して是非頑張ってください。