CReBGATEWAYが明かした混沌とする世の中を象徴する2022年上半期ホットワード

ククレブ総合研究所では、2022年3月1日にリリースされた「CReB GATEWAY」のホットワード分析機能を利用して、2022年1月から6月の間に提出された中期経営計画書に登場する各業種のホットワードについて分析を行いました。

「CReB GATEWAY」のホットワード分析機能

ホットワードの定義

本レポートではホットワードを対前年の中期経営計画書に登場していない「新登場ワード」の企業数ランキングで分析をしております。

業界全体
- 個別業界
- 世の中の流れがわかるB2Bポータルサイト　CCReB GATEWAY

業界全体

上半期の終わりを迎え、2022年の中期経営計画書トレンドを把握できる時期となりました。
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を皮切りに、グローバルでの経済環境は一変。エネルギー価格の更なる高騰、サプライチェーンの混乱、地政学リスクなど企業環境に大きな影響を与えるイベントが一気に顕在化した上半期となりました。

2021年は「カーボンニュートラル」「DX」など、新ワードが次々と生まれ、ウィズコロナ時代の新たなイノベーションの予感を強く感じさせる1年でした。
2022年は、2021年に掲げた施策を実行する時期に入ったものの、緊迫感のある経済情勢において日本企業が守りながら攻めることを余儀なくされていることが窺える結果となりました。

2022年上半期　全業種ホットワード

【参考】2021年　年間　全業種ホットワード

個別業界

業界全体では昨今の緊迫するグローバル経済を受け、ややネガティブなワードが多い印象です。
しかし、個別業種（東証33業種）レベルに落とすと、ホットワードの出現傾向はやや異なっています。
ここでは、その中から特徴的な業種を紹介することといたします。
文中の「　」はホットワードを示します。

石油・石炭製品

一番のホットワードはやはり、現在エネルギー供給に大きな影響を与えている「ウクライナ」でした。
エネルギー政策は国の根幹となる政策となることから、「安定調達」が鍵となりますが、それに加えて「持続可能」というワードが特に目立ちます。
「環境負荷軽減」「環境保全」など「持続可能な社会」の実現に向けて「様々な課題解決」が必要な業界であり、今後も注目の業種となります。

倉庫・運輸関連

一番のホットワードは「サステナビリティ」となりました。
「ダイバーシティ経営」や「働きやすい環境」、「人事制度」など「体制整備」を経営目標にする企業や「ロボティクス」などの新技術の導入を試みる動きも見られます。
経営方針は、「配当政策」において「安定配当」を掲げる企業が多く、「ROIC」や「ROE」などの経営指標も重視しているようです。

陸運業

一番のホットワードは「企業価値の向上」となりました。
特に鉄道業界においては「コア事業」として「賃貸住宅」や「物流施設」といったCFの安定した「不動産投資」をより強化、鉄道収入のみに頼る事業構造から「構造変化」をより意識した動きが見られます。
「持続可能な街づくり」にも力を入れ、「ワンストップサービス」の提供により「企業価値の向上」を目指し、苦しい経営環境下でも「配当を継続」を目指しています。

ガラス・土石製品

一番のホットワードは「オープンイノベーション」となりました。
技術革新が遅れた企業では「環境」への負荷が大きく、「環境に配慮」した製品の製造や、「オープンイノベーション」による「事業の創出」が課題となっているようです。
「エネルギー価格」の高騰など、足元経営環境に大きな影響を与える事象が発生していますが、「エレクトロニクス分野」や「半導体デバイス」などの新分野での「収益確保」を狙う動きが窺えます。

機械

一番のホットワードは「原料価格」となりました。
「価格高騰」が大きな経営課題で、「グローバルサプライチェーン」における「リスク管理体制」の強化など、管理体制に触れる企業が多く見られます。
「グローバル市場」における「稼ぐ力」が課題となっており、足元の「原料価格」の「価格高騰」など新たな「成長エンジン」の創出による「オーガニック成長」が期待されます。

小売業

一番のホットワードは多くの業界でも課題となっている「価格高騰」となっています。
経営方針としては「積極的出店」を掲げ、「高付加価値商品」などの「開発力強化」により「利益の最大化」を図る動きが見られます。
一方で昨今社会問題にもなっている「フードロス対策」に向け、「DXへの取り組み」により解決を模索する動きも見られ、各社の「今後の取り組み」が期待されます。

ホットワードの寿命が激変し半年と持たない経済情勢の中で、今後もククレブ総研では、ホットワードをタイムリーに分析し、経済トレンドを発信して参ります。