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100円ショップ業界動向調査。市場規模は1兆円突破、10年で3,000店増加。帝国データバンク調べ

百円ショップ市場調査

「100円ショップ」という市場は、ワンコインで生活用品の多くが手に入るという魅力から、今もなお成長し続けています。
「100円ショップ」業界について、帝国データバンクが調査・分析を行いました。

調査結果(要旨)

  • 100円ショップ市場、23年度に1兆円突破 店舗は10年で3,000店増加。
  • 22年度1人当たり購買額は過去最高の月665円。脱・100円が功を奏する。
  • 原材料価格高騰の中、100円縛りをどこまで死守できるか。
調査対象国内で「100円ショップ」事業を展開する企業
対象期間2023年4月13日時点
調査機関株式会社帝国データバンク

100円ショップ市場・店舗数動向

100円ショップ市場・店舗数動向

大手4社を中心とする国内100円ショップ市場(事業者売上高ベース)は、2022年度には前年比7.2%(約671億円)増の約9,969億円となる見込みで、1兆円に迫る規模となります。この勢いが続くと、2023年度には100均市場が1兆円を超えることがほぼ確実と見られています。

また、店舗数も大幅に増加しており、大手4社の店舗数は、23年3月末時点で約9,000店舗前後に達する見込みです。
前年比で300店以上、10年前の12年度からは3,000店以上増加しており、各社とも年間100店以上の新規出店を続けています。このままのペースで進めば、2025年度には国内累計で全国1万店舗以上に達することが予想されています。

100円ショップ1人当たりの支出額

100円ショップ1人当たりの支出額

2022年度は、コロナ禍による巣ごもり需要からの反動があったものの、円安や原材料価格の高騰による値上げに対する消費者の節約志向や、クオリティやデザインの見直し、最新トレンドに対応した新商品の投入など、価格にとらわれない商品訴求力の向上があり、100円ショップの需要は堅調に推移しました。
特に、アウトドアブームの拡大に合わせた販売戦略も功を奏し、小型テントやアウトドアチェア、釣り具用品、DIY用品などの販売が好調でした。

1人当たりの購買額を推定すると、2022年度は平均で1か月あたり665円となり、10年度以降最大の増加幅である47円増となりました。
この背景には、積極的な店舗展開や販売チャネルの多様化、アウトドア用品などの日用雑貨以外の商品ラインアップの拡充による顧客層の広がり、150~200円のミドル・ハイプライス商品の購入増加などがあります。

まとめ

原材料価格の高騰が続く中でどこまで「100円のこだわり」を死守できるか
原材料価格の高騰が続く中でどこまで「100円のこだわり」を死守できるか

100円ショップはこれまで消費者から支持されてきたが、物価上昇により消費者のニーズも変化しており、100円以外の低価格帯の商品にも需要があることがわかってきました。
100円商品を軸にしながらも、独自性や高機能性を持った中高価格帯の商品にも注目が集まり、売り上げも伸びている。

今後は、原材料や人件費、エネルギーコストの上昇に対応するために、大手企業はスケールメリットや自動化などでコスト低減に取り組んでいますが、地場の中小企業は利幅の確保ができずに苦慮しています。
市場の大部分を占める大手企業と中小企業との差が広がっているため、今後は合従連衡がさらに進む可能性があります。

出典元:PR TIMES