什器とは?
什器(じゅうき)という言葉は、一般的な日常生活では馴染みがないかもしれません。しかし、これから店舗経営やオフィス移転を考えている方にとっては、気になることなのではないでしょうか。
また、什器にはどのような種類があり、どのような調達方法があるのかなど気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、什器の説明や分野別の具体例、購入とレンタルのメリットとデメリットについて紹介していきます。
什器とは?
什器とは、日常生活を送る上で使用する器具や机、椅子などの家具を指します。「什」という文字には十という漢数字が含まれています。これは、非常に多くなものがあることを表しています。よって、店舗を運営する上で必要不可欠な物品や家具を一括りにして、「什器」という名称が使われています。
什器の種類には何がある?
什器となるものは業界によって変わります。そこで、実際に業界ごとにどのようなものが什器となるのかご紹介します。
アパレル
- マネキン/トルソー
- 帽子スタンド
- ミラー
- ハンガーラック
- 回転式ハンガー
- ポールスター
- コートハンガー
- 試着室
- 小物用ディスプレイ
オフィス
- チェア
- デスク
- キャビネット
- 受付カウンター
- 書棚
- 金庫
- 応接セット
- コピー機
理髪美容
- ドレッサー
- チェア
- レジカウンター
- パーテーション
- ハンガーラック
- フロアサインスタンド
飲食店
- 厨房機器
- 食器棚
- カウンターテーブル
- 冷蔵ケース
- レジ台
- ソファー
- 椅子
- メニューボード
什器は購入かレンタルかどちらが良いか?
什器を入手する方法は購入かレンタルの2通りあります。それぞれの特徴を解説していきます。
購入
購入には中古購入と新品購入の2通りの方法があります。
中古購入
中古ということに抵抗がある方もおられると思いますが、ショップによっては新品同様のきれいな什器を販売している所もあります。新品購入に比べて、初期費用を減らすことができてお得です。ただしセキュリティ面や衛生面が気になる什器に関しては中古購入よりも新品購入をおすすめします。
新品購入
新品の什器を購入することです。家具販売店やネット、またはDIYによって什器を揃えることができます。中古購入よりも初期費用がかかってしまいますが、新品の方が綺麗でデザイン性や機能面に優れているというメリットがあります。
「購入」のメリット・デメリット
購入のメリット
購入のメリットは主に3つあります。
- 自由に自分の好きな商品を選べる
店舗や社内の雰囲気にあったデザインや色を選択できて、自分が思い描くコンセプトに近づけやすいです。 - 会社の資産になる
購入した什器を長く使い続ける程、レンタルに比べて費用は安くなります。また、不要になった場合は売却することができます。 - 購入したものを自由に扱える
レンタル品は、使用用途が限定されていたり、装飾ができないなどの制約があります。
購入のデメリット
購入のデメリットは4つあります。
- 初期費用が高くなってしまう
初期費用がかかってしまい、短期的な経済的負担が大きいです。 - 税務処理に手間がかかってしまう
購入した什器は固定資産となります。10万円を超えてしまう什器は、減価償却を行う必要があり、手間がかかります。 - 修理費がかかってしまう
什器の保証期間が過ぎれば修理費を自己負担する必要があります。 - 廃棄に費用がかかる
壊れてしまった場合は産廃料金を支払って処分する必要があります。
レンタル
レンタルにはリース契約とレンタル契約の2つがあります
リース契約
リース契約とは、企業などが選んだ什器をリース会社が代わりに購入し、企業に什器を提供するといった賃貸取引です。一般的に5年前後の長期的な契約となります。
レンタル契約
1日~1年程度の短期間での契約で什器を入手できるのがレンタル契約です。レンタル会社が保有している什器を不特定多数の人が使用しているため、大半が使い古された中古品となります。
リース契約のメリット・デメリット
リース契約のメリット
- 初期費用を抑えられる(購入費用が不要)
多額の初期費用をかけずに店舗等を開業することが可能であり、自己資金に余裕がない場合に有効です。また、担保なしでもリース契約を結ぶことが可能です。 - 節税対策になる
10万円以上の什器を購入した場合、固定資産税を支払わなければなりません。しかし、リース契約の場合、所有権はリース会社にあるので固定資産税を支払わなくてもよくなります。さらに、リース料は経費として計上することが可能です。また、減価償却などの複雑な会計を行わなくても済みます。 - 処分費用がかからない
什器が不要になった時や壊れた時には処分料金を支払う必要がなく、リース契約であれば契約が満了となれば引き取ってもらえます。
リース契約のデメリット
- 長期的にみると現金購入時と比べて割高となる
保険料や手数料、リース料などを毎月支払わなければならず、支払い総額が現金購入時よりも割高になってしまいます。 - 中途解約が難しい
原則としてリース契約期間中は中途解約ができません。万が一、中途解約をする場合は、残りのリース料に加え解約料や違約金が発生する可能性があります。 - 所有権はない
所有権はリース会社にあるため、契約内容に沿った利用しかできません。また、契約期間より長く継続利用するためにはリース契約を更新する必要があります。 - 維持費・修理費が必要
所有権はリース会社であるにも関わらず、ユーザー自身が保守管理を行わなければならないため、維持費・修理費に関しては自己負担する必要があります。 - 審査が必要
リース会社によっては審査が必要です。
レンタル契約のメリット・デメリット
レンタル契約のメリット
- 短期間の使用であれば購入するよりも安い
支払いは利用する分のみなので、短期間しか使わないのであれば安価で済み、初期費用も抑えることができます。 - 維持費・修理費がかからない
保守管理はレンタル会社が行うので、基本的に無料です。 - 中途解約が可能
リース契約と違い、レンタル契約は中途解約することが可能です。解約手数料がかかる場合もありますが、比較的安く済みます。 - 経費として計上できる
所有権はレンタル会社にあり、資産計上してくれるため、企業は経費として計上することができます。
レンタル契約のデメリット
- 長期間のレンタルは割高
短期間のレンタルであれば安価になりますが、長期間だとリース契約よりも割高となります。 - 選択肢が少ない
レンタル会社が保有している物品からレンタルするものを選択するので、選択肢は少ないことに加えてほとんどが中古品です。
まとめ
什器の概要から入手する方法をご紹介しました。入手方法については、経済状況を吟味した上で、最もよい方法を選択することが大切です。
最後までご覧いただきありがとうございました。本メディアでは店舗DXに関する記事を掲載しています。興味がある記事があれば、ぜひ参考にしてみてください。