再来店とは?
「再来店」とは、再び店舗に足を運んでもらうことを意味しますが、もう一度同じお店を訪れるかの判断は店舗ではなく、顧客側の意志です。つまり、再来店する理由もあれば、再来店しない理由もあります。
まずは顧客側の行動の理由を把握することが、顧客の再来店促進のための一歩目になります。
「再来店」定義
再来店とは、再び店舗に来店してもらうことです。
一度の来店だけで終わるのではなく、二度目、三度目と来店してもらうことで、店舗は売り上げアップが見込めます。また、何度も再来店してくれるということは、商品・サービスの質はもちろんですが、お客様が店舗を信頼してくれていることを意味しますので、新しいサービスや商品について興味を示してもらいやすくなります。
お客様が再来店する理由
お客様が再来店する理由はいくつかありますが、広い意味で「満足した」からです。
商品・サービスの質、値段、接客等、お店に足を運んで楽しい時間を過ごした経験や、満足できたからこそ、もう一度店を訪れたいという気持ちになります。
例えば飲食店であれば美味しい、安い、雰囲気が良かった、店員さんによい対応をしてもらったなど、お客様が満足を感じるポイントはさまざまあります。アパレル店であれば、安い、店員さんのアドバイスが適切、自身の価値観・ファッションに合致しているなどが挙げられます。
このように、様々な理由で満足することで、再度お客様が利用する機会に、「前行って良かったからもう一度行こう」となります。
一度自身で満足しているという経験は、口コミなどの情報よりも断然説得力がありますので、再来店につながるのです。
お客様が再来店しない理由
再来店する理由が「満足」であるならば、再来店しない理由はその反対ということになります。つまり、お客様が「満足できなかったから」です。
飲食店でしたら値段が高い、味が合わない、お店の雰囲気がイマイチといった理由が考えられますし、アパレル店であれば高い、デザインセンスが合わない、店員の対応が悪いといった点が考えられます。
いずれにせよ、お客様は満足できなかった店舗に、再度足を運ぶことはありません。
再来店を販促する企画事例
店舗にとっては多くのお客様に再来店をしてもらいたいものです。
そこで、再来店を促すための企画をいくつか紹介します。これらを上手く活用することで、お客様の再来店への意欲を高めてもらいましょう。
会員制度
会員制度は比較的身近な制度です。
会員となることで貯まったポイントで買い物ができる制度や、会員限定の割引クーポンを準備したり、会員向けの情報を発信するなどの施策が打てます。
様々な特典を多く用意することで、「会員になるとお得」だと思ってもらうことが大切です。
会員制度のメリットとして、会員になられたお客様に対して、情報発信が簡単にできることです。メール、あるいは葉書などで直接的なアプローチが可能になりますので、再来店の促進も可能です。
特に「会員限定」「会員特典」といった文言は、会員のお客様に対しての消費意欲を刺激します。なぜなら、会員となったお客様は「せっかく会員になっているから」「他の人よりもお得なら」ということで、再来店の機運が高まります。
アプリ
既に多くの人々がスマートフォンを持っている時代です。
スマートフォンのアプリを運用することでも再来店の促進が可能です。
アプリの利点は、相手に新着情報の通知を届けられる点が挙げられます。通知が届くとスマートフォンの画面に表示されるので、訴求効果も高いです。
アプリを提示することで割引が効いたり、あるいは限定の商品の購入が可能になったりなど、こちらも会員同様、「アプリ利用者だけの特典」を用意することで、お客様の消費意欲を刺激します。
また、アプリを広告ツールとして活用するのもひとつの方法です。お得な情報、イベント情報等を積極的に配信することで再来店の機運を高めます。
SNS
SNSを運用することで、アプリ同様、情報発信をすることによる再来店促進が可能です。しかしアプリと異なり、SNSは決して一方通行ではなく、お客様とのコミュニケーションや交流が可能です。
例えばイベントの告知をした際、その告知の投稿を見たお客様から質問をSNSで頂戴することもできます。その際のやり取りがお客様との信頼関係構築につながり、お客様の再来店の可能性を高めます。
SNSに関しては再来店はもちろんですが新規顧客の獲得にも繋がりますので、店舗運営においてSNSは貴重なツールです。
時系列で考える再来店施策
お客様に再来店してもらうために店舗ができることはどのようなことでしょうか?
お客様の購買行動の時系列に即してご紹介します。
来店前の再来店施策
誕生月クーポンの発行
誕生日には自分へのご褒美を購入したり、ごちそうを食べる方も多いです。お店から誕生月クーポンを受け取ったお客様は「祝ってもらえた」「自分だけ特別」という感覚になり、再来店を促せます。
お久しぶりメール
サロンや整体などお客様に担当がつくシステムの店舗の場合は特に、一度来店しなくなると気まずくなり足が遠のいてしまいます。
しかし店舗側は全く気にならない、むしろ時間が経っていても来店してほしいものです。
この意識のズレを店舗から「いかがお過ごしでしょうか?」と声をかけることで少しでも気まずい気持ちを解消してみましょう。
来店時の再来店施策
買い物体験の質の向上
お客様の買い物では商品を購入し、それを使用するのも大切ですが、迷いながら選ぶという買い物の体験自体が楽しいものです。
オンラインで購入する機会が増えてきた昨今ですが、実店舗の良さは商品を直接手に取れることです。店員はそのサポートをお客様に行いましょう。例えば、お客様から質問をされる前に店員から声をかけるなど、たった一言だけで買い物のスムーズさが変わります。
気持ちよく買い物をしてもらうことで、お客様の買い物体験の質は向上します。
物理的な来店のしやすさ
店舗の位置を変更することはできませんが、ウェブサイトでアクセスマップを分かりやすいものにしたり、道順を掲載したりと分かりやすくすることはできます。
奥まっていて分かりにくい店舗の場合は屋外看板を設置して迷いにくくしましょう。
店舗の雰囲気
お店の雰囲気の良さを作り上げるのは店員の気持ち1つで変わってきます。
テキパキと品出しをしている店員や、通常では嫌だと思ってしまいそうなゴミ箱を嫌な顔せず片づけている店員を目にしたとき、お客様は店員の頑張りに感心するでしょう。
店舗の雰囲気はマニュアル化できない、店員それぞれの個性が現れやすい部分です。
お客様が買い物をしやすい快適な店舗の雰囲気づくりに務めましょう。
接客の質の向上
「いらっしゃいませ」の一言でも言い方や表情で次第でがらりと印象が変わります。
接客の質は店舗の雰囲気と同じように店員次第で良くも悪くもなります。
店長など現場責任者が他の店員にお手本となるような姿をしっかりと見せていきましょう。
来店後の再来店施策
SNSのフォロー
お客様に、自店のSNSをフォローしてもらえれば定期的に情報を発信することができ、商品やサービスに興味を持ってもらう機会が増えます。
店舗としては是非SNSのアカウントをフォローしてほしいものです。
近年ではそのための施策として「フォロワー〇人で割引」や「フォロー&リツイートでプレゼント」などのキャンペーンを目にする機会が増えました。
さらに「フォロ割」というシステムも登場しています。これはお客様のグループ全員のフォロワー数の合計により割引を行うシステムです。
たった一度のいいねでもフォロワーが多ければ多いほど人の目に触れるため、割引を行っても広告費を割くよりもメリットがあります。
サンキューレター
お客様は購入後に「この商品で良かったか?」「不要なものを買ってしまった」と後悔することを「バイヤーズリモース」と言います。
バイヤーズリモースをそのままにしてしまうと、商品の品質に問題がなくても店舗に対する好感度が下がってしまいます。
サンキューレターはそんなお客様の心をフォローする役割もあるのです。
アンケートをつけて購入理由をヒアリングしたり、次回来店時に使用できるクーポンを発行して「買ってよかった」と思ってもらえるようにしましょう。
アプリの維持
割引クーポン発行のために、アプリをインストールしてクーポンを取得し、アンインストールするお客様は大勢います。多くの場合は1週間程度でアンインストールしてしまいます。
せっかく定期的にクーポンを発行するシステムがあったとしてもアプリがインストールされていなければ意味がありません。つまり、いかにお客様にインストールしたままにしてもらえるかが重要です。
退店後1時間で次回来店時に使用可能なクーポンが発行されたことをポップアップ通知する、ゲームに勝つとポイントが溜まるようなクーポン発行以外にアプリを立ち上げたいと思わせる機能をつけるなど、何らかの工夫を施しましょう。
お友達紹介
人は日常生活のあらゆる部分からおすすめ商品が紹介されますが、最も信頼度の高い情報は家族や友人からの紹介です。
信頼度の高い情報を得られたお友達は最初から店舗に対する好感度も高く、新たなお客様として大切です。
それ以上に大切なのはお友達紹介をしてくれたお客様です。紹介した側のお客様は、紹介をするほど店舗や商品に対する好感度が高く、再来店してくれる可能性が非常に高いのです。
「お友達を売った」と思われないよう、得点はお友達の方が多いまたは紹介者と同じにするのも一つの手段です。
まとめ
再来店はいわばお客様からの「前回来店時の高評価」を意味します。
宣伝・訴求にどれだけ力を入れたとしても、お客様が一度来店してもらった際に満足してもらわなければ、再来店、つまり「二度目」はありませんので、その後の利用が見込めません。
そのため、店舗にとっては如何に再来店のお客を増やすかが大切です。商品・サービスといった質はもちろんですが、SNSやアプリを活用することで、再来店意欲を刺激することが可能なので、これらを活用し、お客様に再来店してもらえるような施策を考えてみましょう。