接客の基本
顧客対応において基本的なスキルとなる「接客スキル」。接客の基本について改めて確認してみてはいかがでしょうか。
接客の定義
接客とは本来、「客に接する」という意味合いで使われますが、本質的には「客をもてなすこと」「客を接待すること」という行為も含まれています。
つまり、「接客」という言葉は訪問してくれたお客さまに対して適切な対応を行う、という意味を持っています。
一般的に「接客」はお客さまが満足されるサービスを行うという姿勢が求められます。
接客の基本ルール
接客には外から見られる身だしなみや表情、行動に現れる挨拶、態度などの基本ルールがあります。
大事な要素となる基本ルールについて抑えておきましょう。
外的要素(身だしなみ・表情)
人は視覚情報から相手の第一印象を判断し、場合によっては対応を変えることもあります。接客において身だしなみは、お客さまに対する会社の態度として見られ、第一印象を大きく左右しますので、とても重要です。
身だしなみとオシャレは、相手基準と自分基準の違いがあり、混同しやすいので注意が必要です。
店舗や小売店の制服には、次の3原則があります。
- 清潔感
- 動きやすさ
- 周りとの調和
身だしなみを整える時は、この3原則を意識しましょう。
身だしなみと同様に、表情もとても大事な要素です。洗練された言葉使いや立ち振舞をしていても、表情一つですべてが台無しになってしまうケースもあります。
接客の基本は笑顔ですが、自然な笑顔を心がけ、状況に応じて表情を使い分けることがポイントです。
行動(挨拶・アイコンタクト・言葉遣い・態度)
接客において、言葉遣いはお客さまに適切なサービスを提供するための大事なツールの一つです。
正しい接客用語を使うのは基本ですが、あまりに丁寧すぎるのも場面にそぐわないこともあり、注意が必要です。
大切なことは、業界・業種や店舗の雰囲気にあった話し方をすることです。
場合によっては、友人のように親しく話しかける接客が有効なケースもあります。
接客中の態度やそれに伴うアイコンタクトにも気を配ると、接客のスキルがさらに向上します。
一方で、他の業務と掛け持ちをしながらの接客は、お客さまへ悪い印象を与えてしまうこともあります。
接客時はお客さまへ向き合わなければいけません。
テキパキと行動し、お客さまがアイコンタクトでなにかを求めている場合、的確に察知できるスキルがあると、より信用を得られるでしょう。
接客の質を上げる3つの力
接客のスキルアップに欠かせない3つの対応力について詳しく見ていきましょう。
観察力
接客における観察力とは、お客さまの不満、不便、不安を解消することです。
お客さまの要望を先回りして感じ取るには、観察力は必要不可欠です。
ニーズには大きなニーズと小さなニーズの2種類があります。
「小さなニーズ」は、そのときに、こうなったらいいな、という些細な願望です。
ちょっとした気遣いで対応できることがほとんどですが、小さなニーズを先回りして対応するだけで、とても感謝され、信用を得ることができます。
「大きなニーズ」は、お客さまが考えつかないような新しい価値や体験の提供をすることで満たすことができます。これは、知識や経験をもとに提案することで叶えられるニーズです。
小さなニーズは安心感、大きなニーズは満足感や感動を生み出すためのものです。両ニーズに対応するために必須のスキルが観察力で、接客のスキルアップを図るには欠かせない要素なのです。
共感力
お客さまに寄り添う気持ちは接客を行う上でとても重要な能力です。
共感のスキルを発揮するとお客さまから、話を聞いてくれている、感性が合う、話をしていて楽しいなど、数多くの信頼ポイントを獲得することができます。
共感力を上げるには、聞き上手になることです。聞き方を意識して変えるだけで、自然と話しが弾むようになり共感を得るチャンスが多くなります。
サービス力
接客におけるサービス力とは、さまざまな接客スキルを身に着け、存分に発揮する応用力ともいえます。
先に述べた観察力や共感力に加え、知識や経験を合わせもった総合的なサービス力を身につけることで接客スキルをより高い次元にまで引き上げることができるのです。
そして、サービス力の根本には、おもてなしの心が欠かせません。
ホスピタリティと同じ意味合いとして使われることが多い、おもてなしの心ですが、おもてなしはお客さまが来店している、していないに関わらずお客さまを思いやる行動を指しますので、ホスピタリティよりもおもてなしの方がサービス精神が高いとされています。
接客の基本となるおもてなしの心を忘れず、日々接客スキルの研鑽に務めましょう。
まとめ
接客をするとき、守るべき基本ルールを覚え、スキルアップを心がけることが重要ですが、根本的なおもてなしの心がなければ、お客さまの信頼を得ることができません。
スキルが未熟で、成長過程の段階であっても、おもてなしの心が存分にあればカバーすることもできるのです。
まずは確かなおもてなしの心を持ち、その上で、基本的なルールを確認し、接客スキルの向上に努めましょう。
高次元の接客スキルを身につけると、お客さまから感謝されることが多くなり、接客の仕事が楽しくなる好循環を得ることができるでしょう。