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【動線分析ツール比較8選】店舗での顧客行動を可視化

動線分析ツール8選

店舗の中をお客様はどのように移動して商品を手に取っているのだろう。

そんな疑問をいだいたことはありませんか?
今回は、店舗内の人の動きを分析する「動線分析ツール」について解説します。

※この記事は2023年3月14日に作成された内容です。

動線分析とは

概要

動線分析とは、店舗内の人の動きを見える化し、それを分析することです。
人の動きは主に2つに分かれます。

  • お客様の動き
  • 従業員の動き

業務形態によって、どちらの動きを分析したいのかが変わってきます。

お客様の動きお客様の動線分析を行うことで、売り場の課題を見つけ出し、店舗の改善に繋げる
小売店などで利用されています
従業員の動き従業員の動線分析を行うことで、業務改善に繋げる
倉庫や工場などで利用されています
両方従業員もお客様と同じように店舗内を移動する場合には両方の動きを分析します
アパレルや雑貨店などで利用されています

ツールの種類

動線分析を行うためには、分析するための環境が必要になります。
どのような方法があるかを見てみましょう。

カメラセンサー

監視カメラのようなカメラを設置し、撮影された動画から動線分析を行う方法です。動線を正確に測定するために真下に向かってカメラを向けて撮影するのが一般的です。

お客様がどこをどのように動いたかという動線のみならず、商品を手に取ったという動作や、性別や年齢のようなお客様の属性をAIで判別し、分析に活かすことができます。

Wi-Fiセンサー

スマートフォンには標準で搭載されているWi-Fiを利用した方法です。混雑した場所でも他の人との入れ違いが発生することなく動線を追跡することができます。

Wi-Fiの利用設定をしなければ計測することはできませんが、アプリと連動してWi-Fi設定をオンにしてもらうことでお客様の動線も計測することが可能になります。

RFIDなど

RFIDはICタグやRFタグとも呼ばれ、ワイヤレス通信により情報のやり取りができるものです。大手アパレル企業ではセルフレジに商品の入ったかごを置くだけで総額がすぐに表示されるシステムに利用されています。

従業員にRFIDを携帯してもらうことで、誰がどのような動きをしたのかを計測できるため、工場や倉庫などで動線分析する場合に利用される場合が多いです。
カメラセンサーでお客様を、RFIDで従業員を、というような複合的な使い方もできます。

同じような利用方法でGPSやビーコンを利用しているシステムもあります。

なぜ注目を浴びているのか?

動線分析にカメラで撮影された動画は欠かすことができません。動画の取り扱いについては以前はサービスを取り扱う企業任せでした。

しかし、2017年に経済産業省が「カメラ画像利活用ガイドブック」を公開し、2022年にはVer.3.0となっています。ガイドラインが制定されたことで、動画の取り扱いが明確になり、サービスを取り扱う企業も、導入する店舗も懸念を払拭することができるようになりました。

さらにAIによる画像解析技術も精度が上がっているため、近年は特に注目を浴びています。

メリット

動線分析ツールを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

顧客行動の可視化

リアルタイムでお客様一人ひとりの動線を見える形で把握することができます。近年、解析精度が向上しているため、誤差数cm程度の動線マップが作られます。

また、お客様が商品を購入に至るまでには下記プロセスがあります。

  1. 店舗に入る
  2. 店舗内の通路を移動する
  3. 商品を気に入る
  4. 商品をかごに入れる
  5. レジへ移動して購入する

カメラと合わせることでお客様の属性を把握し、同じ属性のお客様がどのような行動をしているか、特性を把握できます。

従業員配置の見直し

従業員は「自身の業務に無駄がある」とは思っていません。
しかし、従業員の動線を分析してみると無駄や効率の悪さが見えてくることがあります。

また、ヒートマップで店舗内のどの部分に人が集中しているかを確認し、その理由を分析し、お客様へのサポートが不足している、不要な位置での従業員の配置の見直しなど、改善すべき点が見えてきます。

店内レイアウトの見直し

ヒートマップ分析やリアルタイム動線分析でお客様の傾向が見えてきます。
過疎エリアや過密エリアがどのような理由で起きているのか分析し、ディスプレイや商品配置の変更、導線変更など店内レイアウトの見直しを行うことができます。

売れ残りを削減

季節物やSNSでバズった流動性の高い商品のようなピークを越えるとすぐに売れ残りとなってしまう商品や、人目につかず売れ残りになってしまうなど、商品が売れ残るには理由があります。
売れ残りを削減するため、店内レイアウトの見直しは1日でも早く行うことが大切です。

ただし、店内レイアウトを見直しして変更すれば必ず改善するわけではありません。トライアンドエラーを繰り返し、日々改善を行うことが大切です。

実際に導入して初めて見えてくるもの

「動線分析ツールはこのようなものだ」と解説を読んでみても、その効果を想像するのは難しいものです。
そこで、実際に導入した結果の事例をいくつかご紹介します。

どの事例においても、仮説・検証を行い、より良い環境へ近づけるというプロセスを繰り返し行っています。

エスカレーターからの移動

複数の階があるテナントビルで導入したケースです。

従来のレイアウトのままの動線分析では、エスカレーターを降りてトイレに直行するお客様が非常に多かったため、トイレへの誘導・トイレから出たあとの動線を仮説・検証を行ったそうです。

  • エレベーターの上りと下りでお客様の動線に違いがあるのか?
  • サインを設置して、誘導に変化があったか?

というような検証を行っているそうです。

プレゼンを行うときの説得力

「レイアウトを変更すると売上が〇%アップした」と紹介されても、配置や商品自身が持つ販売力、集客状況、天候、イベントなど条件は常に一定ではないため、本当にレイアウトを変更しただけで売上が上がったのか断定することは難しいです。

そこで、動線分析を行い、お客様の実際の動線やヒートマップといった根拠となるデータを分析することで、信憑性が上がります。
メーカーが小売店へプレゼンするようなときに、根拠となる実際のデータを提示でき、プレゼンする相手の関心を高めることができます。

無駄の見える化

ある工場では「生産性を上げるための改善策が分からない」という悩みをずっと抱えていました。

そこで、動線分析を行ってみた結果、作業エリアに滞在している時間が65%程度でした。
残りの35%はどこで何をしているのか?
工具置き場が作業エリアと離れていたこと、工具を探す時間・順番待ちの時間があったことなどが原因だったため、工具置き場を変更など改善を重ね作業エリアの滞在時間を86%まで改善できました。

想像していた作業エリアの滞在時間とはかけ離れていて、実際に動線分析を行わなければ見えてこない結果でした。

動線分析ツール比較一覧8選

FollowUP

FollowUP
FollowUP
運営会社データセクション株式会社
計測デバイスAIカメラ、TOFセンサーカメラ
おすすめ業界アパレル、雑貨、食品、スーパー、飲食店など
サービスURLhttps://www.datasection.co.jp/service/retail-marketing/followup/

リアルタイムでデータ取得、ダッシュボード反映が行えます。動線分析の他にも、様々な機能を実現しています。

  • 入店カウント
  • VMD分析
  • ヒートマップ分析

データ取得、分析だけでなく使いやすさや見やすさにもこだわった設計で、店舗の販売パフォーマンス改善に寄与します。

Moptar(モプター)

Moptar(モプター)
Moptar(モプター)
運営会社スプリームシステム株式会社
計測デバイス2Dセンサー、3Dセンサー、カメラ内蔵3Dセンサー、カメラ、
ステレオカメラ、魚眼カメラ、Lidar、UWB(タグ)、ビーコン(タグ)
おすすめ業界小売店、工場、医療・介護、サービス、イベント展示など
サービスURLhttps://www.supreme-system.com/product/moptar/

動線はリアルタイムで活用ができ、様々な機能を実現しています。

  • 不審者検知
  • サイネージとの連動
  • レジ待ちアラート

棚前行動分析ツール「Mopreach(モプリーチ)」では棚に手を伸ばしたという行動を判別でき、動線と動作を結び付けて店内での行動をさらに見える化できます。

ABEJA Insight for Retail

ABEJA Insight for Retail
ABEJA Insight for Retail
運営会社株式会社ABEJA
計測デバイスカメラ、センサー
おすすめ業界アパレル、雑貨、食品、スーパー、飲食店、アミューズメント、商業施設など
サービスURLhttps://abejainc.com/insight-retail/

ディープラーニング技術を活用し、カメラやセンサーのデータを分析し入店から購買までのお客様の行動を可視化します。

誰でも簡単に店舗のデータを分析できる管理画面となっており、一目で店舗状況を把握できます。なかなか管理画面を見る時間がない担当者のために週次メールで確認することもできます。

Retail Next

Retail Next
Retail Next
運営会社RetailNext Japan
計測デバイスカメラ、センサー
おすすめ業界主に小売店
サービスURLhttps://retailnext.net/

カメラは新規設置以外にも既存の防犯カメラやトラフィックセンサーを利用することも可能であるため、店舗内の環境に合わせた選択をすることができます。

RetailNextのAIセンサーカメラ「Aurora」と組み合わせることで、ポップアップストアやインショップのような入口が複数あり出入り自由の店舗形態でも同じお客様を混同せず、精度の高いデータを取得することができます。

日本語の機能概要などはRetail Next Japanのnoteに事例や機能などの記事が掲載されています。
https://retailnextjapan.net/

アロバビューコーロ

アロバビューコーロ
アロバビューコーロ
運営会社株式会社アロバ
計測デバイスカメラ
おすすめ業界小売店、コールセンター、社員研修、デジタルサイネージに付属など
サービスURLhttps://www.arobaview.com/service/koro-2/

カメラの分析データから笑顔など表情を数値化し、お客様の感情や体験を可視化。商品を手に取って迷う表情、購入後の笑顔、店舗を出た後のお客様の表情などユーザーの購買体験を数値化します。

店舗のマーケティング以外にも、コールセンターや社員研修など様々な分野で表情データが活用されています。

動線分析ソリューション

動線分析ソリューション
動線分析ソリューション
運営会社株式会社日立産業制御ソリューションズ
計測デバイスカメラ
おすすめ業界小売店、スーパー、イベント会場、フードコートなど
サービスURLhttps://info.hitachi-ics.co.jp/product/pss/solution/flow_line.html

性別や年齢といったお客様の属性を判断し、購買行動を見える化します。
人物動線データやヒートマップといったお客様の行動分析の他に、施設内の各エリアでのお客様の滞在時間を収集し、滞留データとして表示できます。

株式会社日立システムズエンジニアリングサービスでは「ビーコンソリューション」を展開しており、工場や倉庫での利用やスーパーでカートに設置してデータを分析できます。
https://www.hitachi-systems-es.co.jp/service/beacon/

Genavis 動線解析・リアルタイム位置把握

Genavis 動線解析・リアルタイム位置把握
Genavis 動線解析・リアルタイム位置把握
運営会社国際航業株式会社
計測デバイスビーコン端末、スマートフォン(Bluetooth)
おすすめ業界工場、物流倉庫、大型施設、オフィス、医療現場など
サービスURLhttps://biz.kkc.co.jp/software/lbs/lineanalysis/

店舗のような不特定のお客様の動線を分析するものではなく、従業員にビーコンを所持またはスマートフォンのBluetoothから動線分析を行います。

取得したログはデバイスごとのcsvファイルとしてダウンロードができるため、加工や解析を自由に行うことができます。
合わせて、図面上やグラフでの表示もあります。

図面上への表示

  • 属性別軌跡表示
  • ヒートマップ

グラフ表示(オプション)

  • 行動棒グラフ
  • 滞在時間割合
  • 各エリアへのチェックイン回数

Sky Rec

Sky Rec
Sky Rec
運営会社アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
計測デバイスAIカメラ
おすすめ業界アパレル、雑貨、インテリア、スーパー、コンビニなど小売店特化
サービスURLhttps://agilemedia.jp/SkyREC/

台湾台北市のSkyREC Inc.とアジャイルメディア・ネットワーク株式会社の業務提携で日本でのサービスを展開しており、150か国での導入実績があります。

直感的に見やすいダッシュボードは、ワンクリックで見たいデータにたどり着くことができ、高性能で多角的な分析をすぐに見ることができます。

トラフィック分析プラン(店舗前通行量、入店者の分析)は60万円~、売上/行動分析プラン(入店者の分析、動線分析、お客様の属性判断など)は130万円~と導入コストを検討しやすい状況になっています。