店舗DX用語解説

マーチャンダイジングって何?その重要性と手法を解説

マーチャンダイジングの手法解説

「MD」とは?

マーチャンダイジング(以下MD)とは、ビジネスシーンにおいて急速に広まりつつある考え方です。しかし、まだまだよく分かっていないという方も多いようです。

そこで、MDとは何を意味するものなのか、様々な点から見てみましょう。

「MD」の定義

MDとは商品計画、あるいは商品化計画を指す言葉です。

お客様に商品を購入してもらうための企画から開発、材料の調達、さらには販売方法から値段などの戦略を考えます。

お客様が何を求めているのか。ニーズに応えるために何を販売するのか。その戦略の総合的な計画がMDと呼ばれるものです。

「MD」の5つの適正

MDには5つの「適正」が定義されています。難しいもの、あるいは堅苦しいものに感じるかもしれませんが、5つの適性を理解することで、MDの全体像が理解できます。

1. 適正な商品

果たして消費者に求められている適正な商品・サービスなのかという点です。

どれだけ安いとしても、消費者に求められていない商品は売れません。まずは消費者から、ニーズを持たれている商品なのか。

売れる商品とは消費者からのニーズの多いと予測できるので、まずは市場にとって需要のある商品なのかどうかを考えましょう。

2. 適正な場所

商品・サービスを提供するにあたって、どこで入手してどこで販売するのかという「場所」の概念です。

店舗の場合、どこどの商品を陳列するのかを考えることも含まれています。

どこで入手するかによって、製造や提供までの費用・リソースが変わりますし、設置場所や陳列方法の違いが売り上げに影響します。これらもまた、決して疎かにできない部分です。

3. 適正な時期

商品・サービスの提供は時間がかかってしまうものです。

そのため、適正な時期の提供も大切な要素になってきます。

特に日本には四季があります。季節感を考慮したほうが売れる商品・サービスは数多くあります。極端な例ですが、夏に効果が期待できる暑さを和らげる扇風機は寒い冬には売れません。

しかし、商品の仕入れや開発には時間がかかるので、適正な時期を見定めないと、季節外れの商品を販売してしまう可能性もあります。

4. 適正な数量

どれだけ仕入れるかや販売するかなど、数量に関する部分です。

在庫が発生するものは、在庫管理の必要性があります。売れると分かっている商品でも、在庫スペースがなければ保管して売ることができません。他の商品との兼ね合い、さらには倉庫・保管スペースもそれぞれ店舗や会社によって異なる部分なので、これらを踏まえて適正な数量の設定が求められます。

5. 適正な価格

消費者が購入する・しないを判断する大切な要素が価格です。

価格次第で評価は変わりますが、価格は会社側にとって利益に関わる部分でもあります。

仕入れよりも安価で提供すれば損失となってしまいますし、競合の存在もあるで、適正な価格設定もまた、MDを考えるうえで大切な要素の一つです。

「MD」の重要性

MDは5つの適正を考えることで、お客様や市場に合った商品・サービスを提供できるのかを判断することができます。

この商品は、お客様が求めているものなのか。あるいは自社が売りたいものなのか。両者の思いが一致せず、消費者を無視した独り善がりな商品は売れません。

また、提供できるとしても継続的な提供が可能なのかも問われます。あまりにも希少価値の高いものは継続性はありません。

つまり、MDとはお客様のニーズを図るだけではなく、同時に自社の客観的な商品供給力を見定めることが必要となります。

「MD」を進める手法

MDを進める流れとしては、先に紹介した5つの適正を軸に進めましょう。

5つの適正は決してMDの意味を説明しただけではなく、実際にMDを進める上で考えるべき重要なポイントを押さえています。商品、そして場所、時期、数量。そして値段を考えます。

もちろん一つの目安であり、必ずしも5つの適正の流れ通りに、というわけではありませんが、参考ににすることで、網羅性のあるMDを進めることができます。

ここでポイントとなるのが、5つそれぞれ別の観点として考えるのではなく、連動させることです。例えば数量によって値段は変わります。時期によって価値の変わるものもありますので、5つを個別に考えるのではなく、5つを連動させることが大切です。むしろ5つの適正を連動させなければ、MDの手法としては正しいとは言えません。

また、強引に進める必要もありません。徹底的に5つの適正と照らし合わせ、おかしいと思う部分があれば立ち止まって検証することも大切です。

MDは時期という要素があるのでスピードは重要ですが、間違ったまま進めても効果は期待できません。

まとめ

MDとは5つの適正を軸に構成されている、商品計画・商品化計画です。

作れば売れる時代は既に過ぎており、モノが売れにくい時代と言われています。現代社会は、売りたいものを売るのではなく、消費者から求められているものを作成・販売することが大切です。その時に、MDを考えることで、消費者ニーズはもちろん、自社の能力も客観的に見つめ直すことができます。

新しい商品・サービスの開発とともに、自社を知ることができるMDを実践してみてはいかがでしょうか。