ビジネスツール

労務管理システム10選|概要・種類・機能・メリット・デメリットやポイントについて紹介!

労務管理システム10選

労務管理システムとは

概要

従業員と会社の間で結ばれた雇用契約に基づいて、従業員の労働環境や労働条件を整えるためのシステムです。給与の支払いや行政への手続きなどがあります。

勤怠管理は、従業員に給与を正しく支払うために必要になり、労務管理の一部に含まれます。

種類

タイムレコーダー型

従業員の正確な労働時間や休憩時間を打刻する機器です。労務管理の一部である勤怠管理のみを管理できます。
タイムレコーダーにも様々な種類があり、業務形態に合わせた選択をすることができます。

時刻印字専用紙のタイムカードに打刻
時刻を印字するのみ
集計機能付き紙のタイムカードに打刻
勤務時間の集計機能あり
タブレット型従業員共用でアプリから打刻
小規模店舗におすすめ
WEBブラウザ型PCやスマートフォンから打刻
大・中規模企業におすすめ
ICカード対応社員証や交通系ICカードで打刻
入退出への利用も可能
高セキュリティを求められる企業におすすめ
生体認証対応指紋・静脈・顔認証などで打刻
なりすまし防止に有効
工場など私物持ち込み不可の企業におすすめ

クラウド型

サービス提供会社と契約を結び、ネットワークを通じてサービスにアクセスする形態です。

契約後すぐに利用できる、価格はユーザー数ごとの課金体制、法改正対応などバージョンアップも無料で対応といったメリットがあり、無料トライアルで気軽に始めやすい環境です。
カスタマイズの自由はありませんが、他システムとの連携ができるサービスが増えているため、企業独自のシステムが必要でない場合には不自由を感じにくくなっています。

セキュリティはサービス事業者に任せる他なく、サイバー攻撃には注意が必要です。

オンプレミス型

独自にサーバーを用意し、アプリケーションを社内管理する形態です。

導入には高額な初期費用や数か月ほどの導入準備期間がかかるほか、保守管理するためのコストがかかります。

一方で、企業独自のシステムを利用していても、連携しやすいカスタマイズの自由さやセキュリティ対策を自社で行えるメリットがあります。

機能

入退社手続き

従業員が入社したら最初に行う手続きです。

  • 社会保険・雇用保険への加入手続き
  • 所得税・住民税の手続き(扶養控除等申請書)

各種申請

就労するために必要な各種申請です。

  • 雇用契約書
  • 労働条件通知書
  • 通勤手当申請
  • 慶弔申請
  • 退職申請

労務管理システムによっては申請フォームを自由に作成できる機能や、通勤手当の経路チェックを自動で行える機能もあります。

年末調整手続き

年末調整を行うための書類作成と提出が行えます。

  • 給与支払報告書
  • 源泉徴収票
  • 所得税徴収高計算書
  • 扶養控除等申告書
  • 保険料控除申告書

2021年(令和3年)1月分の申告から年末調整の電子化が義務付けられました。対象企業は「前々年の法定調書の提出枚数が100枚以上」であるため、大規模企業では多くの場合対象になります。
そのため、労務管理システムでは書類作成・提出の電子化に対応しています。

従業員情報の管理

通勤手当、住宅手当、家族手当など契約内容に応じた手当の支給に必要な情報を管理します。

2016年よりマイナンバー制度が導入され、すべての企業でマイナンバーを管理することが必要になりました。源泉徴収票や雇用保険の手続きで必要となるため、厳密な管理が求められます。

メリット・デメリット

労務管理システムにはどのようなメリットやデメリットがあるのか見てみましょう。

メリット

業務の効率化

「〇〇の申請書はどこですか?どう書いたら良いですか?」

このような質問が担当者の作業時間を削っています。従業員には申請書をはじめ、多くの書類を提出を提出してもらう必要があります。

労務管理システムを導入すると、従業員自身にシステムに入力してもらうことで、企業と従業員の双方で業務の効率化が計れます。

場所を選ばず入力することが可能

クラウド型の場合、インターネットに接続できればスマートフォンやパソコンでも入力が可能です。テレワークや営業などで直行・直帰といった働き方にも柔軟に対応ができます。

セキュリティ強化

タイムカード打刻の場合、打刻漏れや不正打刻が発生しやすいです。
システムで勤怠管理を行えばなりすましを防止でき、打刻と合わせてGPS情報も記録できるものがあり、不正打刻を行うことが難しいというメリットがあります。

クラウド型であればバージョンアップも無料で行われるため、最新のスパムやセキュリティホールへの対応も随時行われます。プライバシーマークやISMS認証を取得しているサービス事業者を選択すれば、自社でセキュリティ環境を整えるよりも容易に環境を整えることができます。

他システムとの連携

勤怠管理や会計管理といった他のシステムとの連携を行えば、従業員情報などを一元管理が可能になります。

労務管理システムのサービス事業者は他システムを複数提供している場合も多く、労務管理以外のシステムと合わせて導入、ということも容易にできます。
また、他システムとの連携に対応している労務管理システムも多く、既に別システムを導入している場合にも対応できる場合があります。

デメリット

初期コストがかかる

当然のことながら、労務管理システムを導入するための初期コストがかかります。直接的な初期コストの他に導入検討、他システムとの連携の検討、システム導入に対する社内周知といった間接的なコストも必要になります。

アクセス集中によるトラブル

申請書を紙媒体で行っていた時には起こりえなかった、アクセス集中によりトラブルが発生する可能性があります。クラウド型はインターネットに接続するため、従業員が一斉にアクセスしたときにクラウドサーバーが耐えうるかどうかはサービス次第です。

電子申請不可の場合もある

すべての申請が電子申請できるとは限りません。
企業が加入している健康保険組合が電子申請に対応していない場合があり、導入を検討する際には注意が必要です。

IT機器に不慣れな場合は逆に負担になることも

パソコンやスマートフォンなどIT機器に不慣れな従業員は少なからずいます。そのような従業員に提出期限を守ってもらうことや、そもそも申請を出してもらうことが難しく、サポートやマニュアル作成などの対応が必要になり、逆に負担が増すケースもあります。

選定ポイント

労務管理システムを選定するときに大切なポイントとはどのようなものでしょう?
失敗しないための選定ポイントをご紹介します。

業務・帳票の範囲

自社の求める業務に対応しているかどうかは重要なポイントです。
サービスにより業務や帳票の範囲は様々です。先にどのような業務をシステム化したいか洗い出し、求める業務と照らし合わせて過不足のないシステムを選びましょう。

他のシステムとの連携

労務管理は勤怠管理や人事管理など、他のシステムと連携してデータを一元管理できることが理想です。連携できなければ、せっかく業務効率化により削減できた作業時間も、データの転記やチェックなどで相殺されてしまうことも。

同じサービス事業者のシステムでなくても、連携に対応している場合が多くありますので、必ず確認しましょう。

サポート体制

サポート体制もサービス事業者により様々です。導入から手厚いサポートがある所もあれば、そうでない所もあります。チャットやメールですぐに相談にのってもらえると安心です。

また、打刻漏れや提出期限を知らせるアラート機能など、業務を直接サポートする機能があると、業務の効率化も捗ることでしょう。

運用コスト

労務管理システムを利用すると、必ずコストが発生します。そのコストが妥当かどうか検討しましょう。

特にクラウド型の場合、ユーザー数やオプションプランに応じて月額料金が変動するサービスがほとんどで、思った以上にコストがかかる、となってしまう場合もあります。

比較一覧10選

労務管理システムのサービスはたくさんあります。選りすぐりの10選をご紹介します。機能比較にお役立てください。

Smart HR(スマートエイチアール)

Smart HR(スマートエイチアール)
Smart HR(スマートエイチアール)
運営会社株式会社SmartHR
サービス形態クラウド
費用お問い合わせ
主な機能入社手続き・雇用契約
文書配布
年末調整
マイナンバー管理
申請・承認機能
お知らせ掲示板
従業員データベース
予約管理
人事評価
従業員サーベイ
ラクラク分析レポート
カスタム社員名簿
組織図
Web給与明細
メインターゲット従業員2名~数万名規模の企業
サービスURLhttps://smarthr.jp/

従業員50名以下の企業向けの「労務管理プラン」や、さらに小規模企業向けの「¥0プラン」があり、幅広い企業規模に対応しています。

入社手続きや年末調整などは、従業員自身が入力しすぐに従業員データベースに反映されます。また、雇用契約書のような重要書類でも署名・捺印なしで同意することができます。

導入時のサポートの他に、eラーニングでSmartHRの使い方を学べます。導入後も直感的なインターフェースな上、ヒント機能でサポートしてくれるため、不慣れな従業員でも簡単に入力・操作できます。

freee人事労務(フリー)

freee人事労務(フリー)
freee人事労務(フリー)
運営会社freee株式会社
サービス形態クラウド
費用■ベーシック
基本料金 月額4,480円
従業員料金 一人当たり月額500円

■プロフェッショナル
基本料金 月額9,280円
従業員料金 一人当たり月額700円

■エンタープライズ
お問い合わせ
主な機能給与計算
勤怠管理
給与明細
年末調整
労務管理
入退社管理
メインターゲット従業員1名~1,000名程度の企業
サービスURLhttps://www.freee.co.jp/hr/

freee 人事労務では3つのゼロを実現します。

  • 転記作業なしで人的ミスゼロ
  • 勤怠から給与明細まで全てをペーパーレス化で紙ゼロ
  • イレギュラーな業務もアラート機能でやるべきことを可視化!抜け漏れゼロ

設立したてや小規模企業向けに「ミニマムプラン」があります。
給与計算・年末調整・マイナンバー管理といった労務管理の一部機能を低コストで利用できます。

クラウドハウス労務

クラウドハウス労務
クラウドハウス労務
運営会社株式会社Techouse
サービス形態クラウド
費用月額数万円~
主な機能従業員データベース
入社手続き電子化
ワークフロー機能
Web給与明細
マイナンバー管理
年末調整
メインターゲット従業員 数百名~数万名程度の企業
サービスURLhttps://jp.cloud-house.com/service/workforce/

クラウドハウス労務はセミオーダー型クラウド業務支援サービスです。
大手企業でありがちな独自フローにも柔軟なカスタマイズで対応し、グループ会社内で異なる書式の書類をシステム上で再現することも可能です。
クラウド型においてセミオーダー型という珍しいサービスになります。

ユーザーの意見を積極的に取り入れ、毎月10個前後の改善・機能追加を行うなど、「定着するシステム」としてサービスを展開しています。

ジョブカン労務HR

ジョブカン労務HR
ジョブカン労務HR
運営会社株式会社DONUTS
サービス形態クラウド
費用■無料プラン(5名まで)
初期費用 0円
利用料金 月額0円

■小・中規模企業向け
初期費用 0円
利用料金 一人当たり月額400円

■大規模企業向け
お問い合わせ
主な機能人事管理
個人情報管理
給与手続き
マイナンバー管理
扶養手続き
保険手続き
項目カスタマイズ
メインターゲット小・中規模企業~500名程度の企業
サービスURLhttps://lms.jobcan.ne.jp/

勤怠管理で業界ナンバーワンのジョブカン勤怠管理など様々なサービスを展開しているジョブカンシリーズの労務管理システムです。

ジョブカン労務HRのみの利用ももちろんできますが、人事労務バリューパックでは労務HR、給与計算、勤怠管理の3システムをセットにしたプランがあります。1つのIDでラクラクログイン、マスターデータを一元管理し業務効率もアップできます。

ジョブカン 人事労務バリューパック
https://all.jobcan.ne.jp/valuepack/

オフィスステーション労務

オフィスステーション労務
オフィスステーション労務
運営会社株式会社エフアンドエム
サービス形態クラウド
費用登録料 110,000円(税込)
製品利用料 一人当たり月額440円(税込)
主な機能雇用契約
入退社手続き
身上申告
社会保険手続き
労働保険
組合対応
メインターゲット中小企業~中堅企業
サービスURLhttps://www.officestation.jp/roumu/

金融機関並みの高いセキュリティで24時間365日の監視体制で大切な情報を守ります。

  • 通信データとサーバー本体を暗号化
  • 不正アクセスの防止(WAF)
  • 24時間365日のシステム監視体制
  • 第三者機関による定期的な脆弱性診断
  • 二段階認証の標準化
  • ISO/IEC27001、ISO/IEC27018の認証取得
  • 1日1回自動データバックアップ、35世代保存

また、オフィスステーション労務以外にもマイナンバー管理、年末調整、給与明細、有給管理といった人事・労務に関するサービスもあり、導入後でも必要な時にいつでも追加することができます。

jinjer人事労務(ジンジャー)

jinjer人事労務(ジンジャー)
jinjer人事労務(ジンジャー)
運営会社jinjer株式会社
サービス形態クラウド
費用一人当たり月額400円
大企業はお問い合わせ
主な機能■通常機能
労務手続き
入退社手続き
年末調整
雇用契約
人事情報可視化
スキル管理

■オプション機能
シングルサインオン
雇用契約
年調収集
社保手続き
サーベイ
メインターゲット中小規模~大規模企業
サービスURLhttps://hcm-jinjer.com/jinji/

バックオフィス業務をラクにシンプルに。
ジンジャーでは人事労務の他に、勤怠、給与、経費、電子帳簿保存といったバックオフィスを支えるサービスを展開しています。複数のサービスやオプションは必要な機能のみ導入し、その費用のみを支払う方式です。

ジンジャー人事労務ではアイコンやグラフといった視覚的にすぐ分かる、直感で簡単に操作でき、使いやすさに定評があります。

※2022年9月1日より「人事管理」から「ジンジャー人事労務」へ名称が変更されました。

Bizer(バイザー)

Bizer(バイザー)
Bizer(バイザー)
運営会社Bizer株式会社
サービス形態クラウド
費用1事業所1アカウント 月額2,980円(税込)
主な機能総務・労務・経理などバックオフィスの様々な業務

経理事務(月次処理・決算処理)
保険等手続き
年末調整 など
メインターゲット個人事業主や小規模企業
サービスURLhttps://bizer.jp/bizer/

新しく会社を立ち上げたばかり、少人数で事業を行っている、そんな小規模企業や個人事業主向けのバックオフィスのプラットフォームです。

総務や労務の専任ではないからどうしたら良いか分からない・・・困ったときには気軽に税理士・社会保険労務士・行政書士といった専門家に相談することができます。

どうしても自分でするのは難しい、そんな時には専門家に代行を依頼することもできます。

【オプション機能】代行依頼サービス
  • 決算申告代行サービス 50,000円(税抜)~
  • 商標登録代行サービス 50,000円(税抜)~
  • 利用規約作成 36,000円(税抜)~
  • 契約書作成 36,000円(税抜)~

COMPANY(カンパニー)

COMPANY(カンパニー)
COMPANY(カンパニー)
運営会社株式会社Works Human Intelligence
サービス形態クラウド、オンプレミス(ご相談)
費用お問い合わせ
主な機能人事管理
給与計算
勤怠管理
要員分析
人材開発
雇用手続管理
メインターゲット大規模企業
サービスURLhttps://www.works-hi.co.jp/

日本の大規模企業の約3社に1社が採用しているのがCOMPANYです。
※2020年度 ERP市場-人事・給与業務分野:ベンダー別売上金額シェア 出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2022」

グループ会社の膨大な人事情報も、分析に特化したダッシュボードでスムーズな分析が可能。
一般的な機能だけでは複雑な業務に対応できない、機能追加に莫大な費用がかかるといった、大規模企業ならではの悩みに応えます。

マネーフォワードクラウド社会保険(MoneyForward)

マネーフォワードクラウド社会保険(MoneyForward)
マネーフォワードクラウド社会保険(MoneyForward)
運営会社株式会社マネーフォワード
サービス形態クラウド
費用■スモールビジネス(小規模事業者向け)
基本料金 月額2,980円(税抜)~
従量課金(6名以上) 一人当たり月額100円

■ビジネス(中小企業向け)
基本料金 月額4,980円(税抜)~
従量課金(6名以上) 一人当たり月額100円

■IPO準備・中堅~上場企業向け
お問い合わせ
主な機能入退社・育児休業・扶養家族の手続き
賞与
労働保険
ステータスの管理
作成書類の電子申請
メインターゲット個人~51名以上の企業
サービスURLhttps://biz.moneyforward.com/social_insurance/

個人事業主・中小企業から数百人規模の企業まで幅広く対応できます。
マネーフォワードクラウドには社会保険以外にも会計、請求書、経費、勤怠、給与など多くのサービスがあり、サービスごとの従量課金で利用することができます。

社労夢Company Edition

社労夢Company Edition
社労夢Company Edition
運営会社株式会社エムケイシステム
サービス形態クラウド
費用初期費用 0円
利用料金 月額45,000円~
※対象従業員やユーザー数に応じて変動
主な機能手続進捗管理
基本台帳
社会保険
雇用保険
労働保険
労災給付
e-Gov API連携
電子申請とマイナンバー管理
メインターゲット大手・中堅企業
サービスURLhttps://www.mks.jp/sce/

社労士事務所向けのシステム「社労夢」を、一般企業の労務業務で広く使えるようにしたのが「社労夢Company Edition」です。社労士向けに22年間サービス展開しているため、ノウハウを生かした豊富な機能があります。

契約後は、導入するために必要なシステム設定、取り込み用CSV作成は専任スタッフがサポートしてくれるため、安心して運用を開始できます。

まとめ

複雑な書類作成や申請処理などを一手に引き受けてくれるのが、労務管理システムです。今回は10選としてご紹介しましたが、それぞれできる事や強みが異なります。
コストだけを見るのではなく、選定ポイントをしっかりと確認して検討してみてください。