働き方

プロパーの意味とは?社員や業界ごとの使われ方の違いを解説

プロパーという言葉は耳にすることがあると思います。しかし、使われ方によってその意味は様々です。今回は、比較的耳にすることの多い「プロパー社員」と、業界ごとのプロパーについて解説していきます。

プロパー社員とは

この言葉は主に「正社員」という意味合いで使用されます。

派遣社員やパート等と区別をしてプロパー社員、略してプロパーと言うことが多いです。しかし正社員にも様々あり、環境によって少しずつ違いがあります。

プロパーの意味と語源は?

プロパーは、「正しい」「本来の」「適切な」という意味の英語の「proper」が語源です。プロパー社員と一言で言っても環境により意味が異なってきます。

生え抜き社員のことを指す場合

新卒で入社した生え抜きの社員のことを「プロパー社員」と呼ぶことがあります。中途社員が多い会社で使用されているようです。会社の社風や理念を素直に吸収することができるので、いい意味で会社に染まることになります。

正規雇用の正社員のことを指す場合

新卒や中途を問わず正規雇用された正社員のことを「プロパー社員」と呼ぶことがあります。派遣社員やアルバイトなど非正規雇用の社員が多い会社内で使用されているようです。

自社社員(客先の社員のことを指す場合)

客先の社員のことを「プロパー社員」と呼ぶことがあります。業務委託などで客先に常駐している場合、客先の社員に対して使用されているようです。グループ会社からの出向者との比較でも使用されているようです。

プロパー社員とその他の違いは

生え抜きであるプロパー社員と中途採用の社員では、プロパー社員の方が昇給しやすい場合があります。役職などによって給与が定められる職務給と呼ばれる制度があります。中途採用で入社直後の役職がない時は、他の同年代の社員と比較すると昇給や給与が少なくなってしまいがちです。

加えて、勤続年数や年齢に伴って昇給する年齢給と呼ばれる制度では、中途採用の社員は勤続年数が浅くなり、昇給や給与が少なくなります。そのため、プロパー社員の方が中途採用の社員に比べて昇給しやすい傾向にあります。勤続年数が退職金にも影響を及ぼすケースもあります。

プロパー社員を採用するメリット

採用する企業にとって給与などの面で費用の掛かるプロパー社員を採用するメリットはあるのでしょうか?新卒から働いてきたプロパー社員には、作業もおぼつかない時期から成長するにあたり、先輩や上司との連携・協力により培った絆があります。同期であればさらにその絆は強固なものでしょう。

社内でのコミュニケーションが円滑に取れていることは会社の業務をスムーズに行うためには必要不可欠です。また、新卒から一貫して働いてきたプロパー社員は愛社精神も強い傾向にあります。愛社精神をもつ社員は仕事のモチベーションも上がり、社内に好影響を与えることでしょう。

つまり、企業にとって、信頼のおけるプロパー社員はとても重宝したい存在であると言えるでしょう。

業界ごとの使用方法と意味

社員に対して使用される「プロパー」以外に、別の使い方があります。そして、それは業界ごとに言葉の意味が変わってきます。

アパレル業界で使われるプロパー価格とは

アパレル業界で使われる「プロパー価格」とは、値下げをしていない定価であることを指します。「フルプライス(FP)」「メーカー希望小売価格」と呼ばれることもあります。

小売業界で使われるプロパー商品とは

卸売業や小売業界で使われる「プロパー商品」とは、正規の流通ルートで仕入れられた商品のことを指します。公式サイトや公式取扱店で販売されている商品がプロパー商品ということになります。

また、近年ではプロパー商品を取り扱う公式のECサイトも身近なものになっています。プロパー価格とは違い、プロパー商品は値下げをしたセール価格で販売されることもあります。

金融業界で使われるプロパー融資とは

金融業界で使われる「プロパー融資」とは、信用保証協会の保証を受けず直接銀行から受ける融資のことを指します。中小企業や小規模事業者には信用保証協会の保証がないため、プロパー融資を受けるのは非常に難しいです。

また、創業から2期目まではプロパー融資を行わない銀行も珍しくありません。

カード業界で使われるプロパーカードとは

カード業界で使われる「プロパーカード」とは、国際ブランドのクレジットカード会社が発行しているクレジットカードのことを指します。

VISA、Master Card、JCB、アメリカンエクスプレス、ダイナースクラブなどのシールがお店に貼られているのを目にしたことがあると思いますが、これが国際ブランドになります。

これらの国際ブランドが直接発行しているクレジットカードが「プロパーカード」と呼ばれるものです。国際ブランドと提携した会社が発行しているクレジットカードは「提携カード」と呼ばれます。例えば「楽天VISAカード」は楽天カードとVISAが提携して発行している提携カードになります。